症状から引く受診の目安:入らない
挿入が入らない時は、受診したほうがいい?何科に行く?
何度試しても入らない、入れる前から体がこわばって毎回やめてしまう、という状態が続くなら、産婦人科(婦人科)で相談できます。1回だけ入りにくかった、という段階なら、すぐ受診しなくても大丈夫です。
先に答え:受診を考える人と、何科か
- 受診を考える:何度試しても入らない。入れる前から体がこわばり、毎回中断する。痛みや怖さが続いてつらい。(当サイトの目安)
- まだ様子を見てよい:緊張した日や疲れた日に、1回入りにくかっただけ。ただし繰り返すなら、上に当てはまります。(当サイトの目安)
- 何科:産婦人科または婦人科です。診断は症状の聞き取りと内診で行われる(MSDマニュアル プロフェッショナル版)ので、内診のできる科を選びます。
- 6か月は待たなくてよい:診断の基準には「6か月以上続く」とありますが、これは病名をつける時の条件です。受診を6か月待つという意味ではありません。(当サイトの解釈)
入らない理由は、大きく3つに分かれる
「入らない」は症状の名前で、原因は人によって違います。診察で、どれに近いかを確かめます。
- 体がこわばって入りにくい。挿入を予想するだけで、腟の入り口まわりの骨盤底筋が無意識に縮むことがあります(MSDマニュアル家庭版)。この状態は腟痙と呼ばれてきましたが、肛門挙筋という筋肉の働きの乱れに由来することが多いため、近年は「肛門挙筋症候群」という言い方も使われます(プロフェッショナル版)。
- 痛みがあって、体が避けている。入口の痛みが先にあり、痛みの再発を予想して避けるようになることもあります。痛む場所ごとの原因は、挿入が痛い時に考えられる原因にまとめています。
- 腟の形や狭さに理由がある。腟を狭くする手術(分娩時に裂けた組織を修復する手術など)、先天的な形の違い、腫瘤、癒着は、腟の中の痛みの原因として挙げられています。入りにくさに関わる可能性はありますが、どれに当たるかは内診で確かめることで、自分では判断できません。
診察で行うこと。内診が不安な人へ
症状(痛みの時期や場所)を聞かれ、外陰を見て、綿棒で痛む場所を確かめ、指で骨盤底筋の状態を調べます。必要に応じて腟鏡診や双合診も行われます(プロフェッショナル版)。
内診が難しいと感じる時の工夫として、家庭版は、鏡を使って医師が何を見ているかを自分でも見ること、内診中に自分の手を医師の手に重ねてもよいことを挙げています。「内診が怖い」「入らないことがある」と、予約や診察の最初に伝えてかまいません。(伝え方は当サイトの案内)
治療の選択肢:診察の前に自分で試す必要はない
原因があれば、その治療をします。そのうえで、MSDマニュアルには次の方法が書かれています。
- 骨盤底の理学療法:骨盤底筋の力を抜く練習(バイオフィードバックを併用することもあります)、筋膜リリースなど
- 段階的な脱感作:特別に設計された拡張器を、サイズを徐々に大きくしながら使い、慣らしていく方法。各段階で不快感なくできるようになってから次へ進みます
- 精神療法:認知行動療法やマインドフルネス認知療法など。痛みや挿入への怖さに向き合う助けになるとされています
どれを使うか、拡張器をどう使うかは、診察で決めることです。自己流で始めず、医師に聞いてからにしてください。(当サイトの案内)
受診の前にメモしておくと話が早い
- いつから起きているか。毎回か、ときどきか
- 入れようとした時の様子(痛い、怖い、体が固まる)
- 痛む場所(入口、腟の中、お腹の奥)
- 出血、かゆみ、おりものの変化があるか
- 飲んでいる薬、出産や手術の経験、最後の月経日
メモの項目は当サイトの案内です。書けない部分があっても、受診はできます。
よくある質問
入らないのは、病気ですか?
原因が体にある場合と、痛みの予想や怖さで筋肉が縮む場合があり、診察で分かれます。気持ちの弱さや努力不足の問題ではありません。
内診が怖くて、予約できません。
鏡を使う、内診中に自分の手を医師の手に重ねる、といった工夫があります(MSDマニュアル家庭版)。予約や診察の最初に、内診が不安だと伝えて相談できます。
産婦人科と婦人科は、どちらに行けばいいですか?
どちらも内診を行う科として案内します(当サイトの案内)。出産の予定がなくても、産婦人科で相談できます。
出典と確認日
- MSDマニュアル プロフェッショナル版「性器-骨盤痛・挿入障害」
- MSDマニュアル家庭版「性器-骨盤痛・挿入障害」(最終更新 2023年7月)
- 島根県「性と健康相談支援センター(女性健康相談窓口)の紹介」
上のページを2026年10月31日に確認して書いています。医療の判断は、受診した医師の説明を優先してください。診療科の名前は出典に書かれていないため、「何科か」と「当サイトの目安」と書いた部分は当サイトがまとめたものです。
