挿入が痛い時の答え
挿入が痛い時に考えられる原因と、受診の目安
挿入の痛みが繰り返すときは、医学では性交痛と呼ばれ、原因を調べて治療できる場合があります。原因は痛む場所で分かれるので、まず「入口か、腟の中か、お腹の奥か」を思い出してください。我慢して続ける必要はありません。
痛む場所で原因が分かれる
MSDマニュアル家庭版は、痛みの場所を3つに分け、それぞれ原因の例を挙げています。
- 入口(外陰)の痛み:閉経関連の変化、授乳によるエストロゲンの低下、潤滑不足、性器の感染や炎症、アレルギー、尿路感染、放射線療法の影響、誘発性腟前庭痛など
- 腟の中の痛み:腟炎、先天異常、腟を狭くする手術、筋筋膜性疼痛、子宮内膜症、子宮筋腫、骨盤内の腫瘤、癒着など
- お腹の奥(深部)の痛み:骨盤内感染による膿瘍、筋筋膜性疼痛、子宮内膜症、子宮筋腫、骨盤内の腫瘤、癒着など
痛みは、焼けるような、鋭い、締めつけるような感じと表されます。上の一覧は例で、自分がどれに当たるかは診察で分かることです。
怖さが痛みを強めることもある
挿入を予想すると、腟の入り口まわりの骨盤底筋が無意識に縮み、痛みが強まることがあります(MSDマニュアル家庭版)。痛みの原因がほかにあっても、怖さが重なると痛みが強くなりやすい、ということです。怖さへの対処はトップのページにまとめています。
自分でできる工夫
- 水性またはシリコン製の潤滑剤を使う(油性のものはラテックス製の避妊具を傷めるおそれがあります)
- 前戯の時間を長くする
- 体位を工夫する
- 挿入をしない過ごし方を選ぶ
- 外陰を清潔に保つ。プロフェッショナル版では、綿の下着や低刺激性の石鹸を使い、腟洗浄や市販の腟用デオドラントは避けるとされています
工夫しても痛みが続くなら、原因が別にある可能性があります。続けて我慢せず、次の目安を見てください。
産婦人科で行われること
診断は、症状の聞き取りと内診に基づきます。内診では、外陰を見て、痛む場所を確かめます(プロフェッショナル版)。原因が見つかれば、その治療を行います。
原因に応じた治療として、家庭版には、閉経後の萎縮に対する腟へのエストロゲンなどの投与、感染に対する抗菌薬や抗真菌薬、骨盤底の理学療法、精神療法などが挙げられています。薬の選び方は診察で決まるので、ここでは詳しく書きません。
産婦人科に相談する目安
- 痛みが毎回、または何度も繰り返し出る
- 挿入のあとも痛みが続く
- 出血、かゆみ、おりものの変化など、ほかの症状もある(痛みの原因には感染や炎症も挙げられているため)
- 怖さが強くて挿入が難しい状態が続き、つらい
どれにも当てはまらなくても、つらければ相談してかまいません。「医療機関に相談するほどではないが不安」という段階なら、都道府県などの性と健康の相談窓口もあります(島根県の案内ページが一例です。お住まいの地域の窓口は各自治体のページで確認してください)。
症状から引く:受診するか、何科か
痛みのほかの症状や、産後・閉経後など状況から調べたい時は、次のページで受診の目安と行く科を先に確認できます。受診の目安の全体の早見は挿入の悩みは何科?にもあります。
よくある質問
挿入の痛みは、どこに相談できますか?
原因を調べるなら産婦人科です。診断は症状の聞き取りと内診で行われます。受診するほどか迷う段階なら、都道府県などの性と健康の相談窓口もあります。
痛みは我慢したほうがいいですか?
我慢して続ける必要はありません。痛みが繰り返すときは、止めてかまいません。原因が見つかれば治療できる場合があります。
潤滑剤を使えば痛みは和らぎますか?
潤滑不足は入口の痛みの原因のひとつで、水性またはシリコン製の潤滑剤は一般的な対策として挙げられています。それでも痛むなら、ほかの原因が考えられます。自分に合う種類は医師に尋ねるとよいとされています。
出典と確認日
- MSDマニュアル家庭版「性器-骨盤痛・挿入障害」(最終更新 2023年7月)
- MSDマニュアル プロフェッショナル版「性器-骨盤痛・挿入障害」
- 島根県「性と健康相談支援センター(女性健康相談窓口)の紹介」
上の3ページを2026年10月31日に確認して書いています。医療の判断は、受診した医師の説明を優先してください。受診の目安は、出典に記載がないため当サイトがまとめたものです。
