症状から引く受診の目安:濡れない
濡れない時は受診する?何科に行く?先に目安から
濡れにくいだけで、痛みも出血もなく、困っていないなら、急いで受診する必要はありません。挿入が痛い、閉経後に乾く、薬を飲み始めてから変わった、つらさが続くという時は、婦人科で相談できます。先に、潤滑剤と前戯の工夫を試せます。
先に答え:どの段階なら受診するか
- 工夫で様子を見る:痛みはなく、疲れや緊張が強い時期だけ濡れにくい。下の「自分でできる工夫」を先に試します。(当サイトの目安)
- 婦人科で相談:挿入が痛い。閉経後や授乳中で乾きが続く。かゆみ、おりものの変化、出血がある。工夫しても変わらず悩んでいる。MSDマニュアルも、性機能の悩みがあれば医師に相談するよう書いています。
- 薬を出した医師にも相談:薬を飲み始めてから濡れにくくなった。抗うつ薬(特にSSRI)などが性機能に影響することがあります。自己判断で薬をやめないでください。(やめない注意は当サイトの案内)
- 何科:婦人科です。閉経後は、更年期の相談ができる外来のある医療機関もあります。(当サイトの案内)
参考までに、MSDマニュアルの性的興奮の障害の診断は、症状が6か月以上続き、本人に著しい苦痛がある場合です。これは病名の条件で、相談を6か月待つ意味ではありません。
濡れるしくみ。濡れない=気持ちがない、ではない
性的な刺激を受けると、気持ちの上での興奮とともに、性器への血流が増え、腟から潤滑液が分泌されます(MSDマニュアル家庭版)。濡れない時は、この流れのどこかが途切れています。
MSDマニュアルは、性的興奮の障害をいくつかの型に分けています。気持ちの上の興奮を感じにくい型、気持ちは高まっているのに性器への刺激に体が反応しにくい型、その両方が重なる型です。濡れにくさは体の反応の話で、相手への気持ちの有無を測るものではありません。(最後の一文は当サイトの補足)
乾く・濡れにくい原因の例
- ホルモン:閉経に伴うエストロゲンの低下で、腟の粘膜が薄く乾燥しやすくなる。授乳中もエストロゲンが下がり、乾燥しやすくなる
- 薬:抗うつ薬(特にSSRI)やオピオイドなど。アルコールも影響することがある
- 体調:特定の慢性疾患、疲労
- 気持ち:抑うつ、不安、ストレス。パートナーとの話し合いが足りない、関係に悩みがある、という状況も挙げられています
- 前戯の不足:潤滑が足りず、入口の痛みにつながることがあります
自分でできる工夫
- 前戯の時間や種類を増やす
- どんな刺激を心地よく感じるかを自分で知り、パートナーに伝える
- 寝室のテレビなど、気を散らすものを減らし、安心できる環境にする
- 潤滑剤:水性のものはすぐ乾くので塗り直しが必要です。シリコン製もあります。油性のものはコンドームなどを傷めるおそれがあります。使うなら無香料のものが勧められています
- 腟の保湿剤を、毎日または週に数回塗ると助けになる人もいます(閉経について書かれたページの記述)
- 腟洗浄や市販の腟用デオドラントは使わない
濡れていても痛い場合は、潤滑以外の原因があるかもしれません。挿入が痛い時に考えられる原因を見てください。
医療でできること
- 原因の治療と、薬の見直し(処方した医師と相談)
- 閉経後の乾燥や萎縮には、腟へのエストロゲン(クリーム、錠剤、リング)が使われます。腟の症状には、経口より経腟のほうが効果的な場合があるとされています
- 閉経後は、DHEAの腟坐薬も乾燥や痛みの軽減に使われることがあります
- 気持ちの面には、マインドフルネス認知療法などの精神療法
ホルモン療法を始める前には、リスクと便益を主治医に尋ねるようMSDマニュアルは書いています。薬の選び方は診察で決まるので、ここでは詳しく書きません。
よくある質問
濡れないのは、感じていないからですか?
そうとは限りません。気持ちが高まっていても、体の反応が追いつかない型があるとMSDマニュアルは説明しています。ホルモン、薬、疲れなど、体の側の理由もあります。
潤滑剤は使ってもいいですか?
使ってかまいません。水性は乾きやすく塗り直しが要り、油性はコンドームなどを傷めるおそれがあるため、水性またはシリコン製、無香料が勧められています。合う種類は医師に尋ねるとよいとされています。
薬が原因かもしれない時、自分で薬をやめてもいいですか?
やめないでください。抗うつ薬などは自己判断で中止すると別の問題が出ることがあります。処方した医師に、性機能の変化を含めて相談してください。(当サイトの案内)
出典と確認日
- MSDマニュアル家庭版「性的関心・興奮障害」(最終更新 2023年7月)
- MSDマニュアル家庭版「女性の性機能および性機能障害の概要」(最終更新 2025年7月)
- MSDマニュアル家庭版「性器-骨盤痛・挿入障害」(最終更新 2023年7月)
- MSDマニュアル プロフェッショナル版「性器-骨盤痛・挿入障害」
- MSDマニュアル家庭版「閉経」(最終更新 2025年7月)
- 島根県「性と健康相談支援センター(女性健康相談窓口)の紹介」
上のページを2026年10月31日に確認して書いています。医療の判断は、受診した医師の説明を優先してください。診療科の名前と、「当サイトの目安」「当サイトの案内」と書いた部分は、出典に記載がないため当サイトがまとめたものです。
