症状から引く受診の目安:閉経前後の痛み
更年期・閉経後に挿入が痛い、乾く時は受診する?何科?
閉経後はエストロゲンが減って、腟の粘膜が薄く乾燥し、挿入時に痛みが出ることがあります(MSDマニュアル家庭版)。市販の腟用潤滑剤が役立つ場合があり、続くなら婦人科で相談できます。ただし、閉経後の出血は痛みがなくても、早めに受診してください。
先に答え:急ぐもの、相談するもの、様子を見るもの
- 直ちに:突然のひどい痛み、発熱や悪寒、ふらつきや意識を失いそうな感じがある時。特に警戒すべき徴候が多い時は直ちに診察を受けるべきとされています(MSD「女性の骨盤痛」)。
- 早めに(当日〜数日中):閉経後の性器出血。血の混じったおりもの。MSDマニュアルは、閉経後の性器出血を無視してはいけないとしています。
- 婦人科で相談:挿入時の痛みや乾きが続く。潤滑剤を使っても痛い。かゆみやおりものの変化がある。尿意が急に来る、膀胱炎をくり返す、といった尿の症状も重なる。(当サイトの目安)
- 様子を見てよい:軽い乾きだけなら、腟用の潤滑剤や保湿剤から試せます。対策をとっても改善しない時は、医療専門職に相談してください(MSDマニュアル家庭版)。
何科:婦人科です。更年期の相談を扱う外来がある医療機関もあります。(診療科は当サイトの案内)
何が起きているか:腟の粘膜が薄くなる
閉経後はエストロゲンが減り、腟の粘膜が薄くなって乾燥し、弾力を失っていきます。この状態を腟萎縮といい、挿入時の痛みの原因になることがあります。腟や尿路に出るこうした症状は、「閉経関連泌尿生殖器症候群」という言葉でまとめられ、腟の乾燥、挿入時の痛み、尿意切迫感、尿路感染がその症状です(MSDマニュアル)。
MSDマニュアルは、閉経を、月経と排卵が起きなくなり、妊娠する力が永久になくなることと説明し、その前後の時期は「閉経移行期」「閉経期」という言葉で扱っています。このページでは、閉経の前後の悩みとして、まとめて扱います。(まとめ方は当サイトの整理)
自分でできること
- 市販の腟用潤滑剤を、挿入の時に使う。水性は乾きやすく塗り直しが要り、シリコン製もあります。油性のものはコンドームなどを傷めるおそれがあります。無香料のものが勧められています
- 腟の保湿剤を、毎日または週に数回塗る(助けになる人もいます)
- 腟洗浄や市販の腟用デオドラントは使わない。綿の下着を選ぶ
- 前戯の時間を長くする
医療でできること
- 腟へのエストロゲン:クリーム、錠剤、リングの形があります。腟の乾燥や萎縮には、経口より経腟のほうが効果的な場合があります。低用量なら、子宮がある人でもプロゲストーゲンの併用は要らないとされています
- DHEAの腟坐薬:乾燥や痛みの軽減に使われることがあります
- オスペミフェン:腟へのホルモン療法ができない人の選択肢です
ホルモン療法には利益とリスクがあるため、始める前に主治医に尋ねるようMSDマニュアルは書いています。どれを使うかは診察で決まります。
「年齢のせいだから」で終わらせない
MSDマニュアルは、性機能のことで悩んでいる時は医師に相談すべきと書き、高齢の女性についても、加齢のせいと決めつけずに相談するよう勧めています。痛みや乾きは、治療や工夫で変わる余地のある症状です。
かゆみやおりものを伴う時は、感染や炎症の可能性もあります。かゆみ・おりものがあって痛い時も見てください。
よくある質問
閉経後に出血しました。痛みはありません。
痛みがなくても、早めに婦人科を受診してください。MSDマニュアルは、閉経後の性器出血を無視してはいけないとしています。
潤滑剤と保湿剤は、何が違うのですか?
MSDマニュアルでは、潤滑剤は挿入の時に使うもの、保湿剤は毎日または週に数回塗って腟の乾きを和らげるもの、という使い分けで書かれています。
ホルモンの治療は、誰でも受けられますか?
診察で決まります。ホルモン療法にはリスクと便益があり、始める前に主治医に尋ねるようMSDマニュアルは書いています。ここで可否は判断できません。
出典と確認日
- MSDマニュアル家庭版「閉経」(最終更新 2025年7月)
- MSDマニュアル家庭版「女性の骨盤痛」(最終更新 2024年6月)
- MSDマニュアル家庭版「腟のかゆみとおりもの」(最終更新 2024年6月)
- MSDマニュアル家庭版「女性の性機能および性機能障害の概要」(最終更新 2025年7月)
- 島根県「性と健康相談支援センター(女性健康相談窓口)の紹介」
上のページを2026年10月31日に確認して書いています。医療の判断は、受診した医師の説明を優先してください。診療科の名前は出典に書かれていないため、「何科か」と「当サイトの目安」と書いた部分は当サイトがまとめたものです。
