症状から引く受診の目安:産後の痛み
産後に挿入が痛い時は、受診する?何科に行く?
痛みがある時は、その場で止めて、医師の診察を受けてください(MSDマニュアル家庭版)。行き先は産婦人科で、出産した施設でも、ほかの産婦人科でもかまいません(当サイトの案内)。再開は、一般的には分娩後少なくとも6週間、傷が治ってからが目安とされています。
先に答え:再開の目安と、受診してよい時
- 再開の時期:希望すればすぐ再開してもかまいませんが、一般的には、分娩後少なくとも6週間、または裂傷や会陰切開が完全に回復するまで待つことが勧められています。帝王切開の場合は、傷が癒えるまで待ちます(MSDマニュアル家庭版)。
- 痛い時:性行為をやめて、医師の診察を受けます(同)。
- 受診してよい例:何回か試しても痛い。傷のあたりが痛む。出血、かゆみ、おりものの変化がある。乾きが強い。怖くて進められない。(当サイトの目安)
- 何科:産婦人科です。産後の健診の機会に聞くのも一つの方法です。(当サイトの案内)
6週間たてば大丈夫、というわけではない
書かれている条件は2つです。「少なくとも6週間」と、「傷が完全に回復するまで」。どちらも満たす必要があり、6週間はあくまで下限です。傷の治り方には個人差があるため、いつ再開してよいかは、健診で診てもらった医師の説明を優先してください。
再開してからも、痛みがあれば止めてかまいません。「始めたのだから続けなければ」と考える必要はありません。
産後に痛みが出る理由(MSDマニュアルの記述から)
- 授乳中の乾き:授乳中はエストロゲンが低下し、腟が乾燥して、挿入が不快になることがあります
- 分娩時の傷:帝王切開、器械分娩、会陰切開、会陰の裂傷は、性器や骨盤の痛みのリスクを高めるとされています。会陰の裂傷は、腟口付近の痛みや、性的な関心・興奮の低下につながることがあります
- 傷を直した後の狭さ:分娩時に裂けた組織を修復する手術は、腟を狭くする手術の例として、腟の中の痛みの原因に挙げられています
- 痛みへの予想:痛みの再発を予想すると、腟の筋肉が縮んで、痛みが強まることがあります。怖さが痛みにつながるしくみはトップのページにまとめています
痛い間、再開できない間にできること
- MSDマニュアルには、医師が挿入以外の触れ合いを提案することがあると書かれています。マッサージ、前戯、互いの愛撫、キス、抱擁などです
- 潤滑剤は、水性のもの(すぐ乾くので塗り直し)かシリコン製のものを使い、前戯の時間を長くします。これは挿入時の痛みの一般的な工夫として書かれているもので、産後に限った記述ではありません
- 痛みを我慢して続けない
パートナーに伝える短い言い方(当サイトの例)
- 「傷のあたりがまだ痛いから、挿入はしないで、触れ合うだけにしたい」
- 「診察で大丈夫と言われるまで、待ってほしい」
- 「痛くなったら止めるね。その時は怒らないでほしい」
止め方の言葉は、挿入を途中でやめたい時の確認にもまとめています。
よくある質問
6週間たったら、必ず再開できますか?
いいえ。「少なくとも6週間」は下限で、裂傷や会陰切開、帝王切開の傷が回復していることも条件です。いつ再開してよいかは、診察した医師の説明を優先してください。
授乳をやめれば、乾きは治りますか?
MSDマニュアルのこのページには、授乳をやめた後の経過は書かれていません。乾きが続くなら、産婦人科で相談してください。
何か月も痛みが続く場合は、受診したほうがいいですか?
続くなら相談してかまいません(当サイトの目安)。傷の痛み、乾き、怖さが重なっていることもあり、診察で整理できます。
出典と確認日
- MSDマニュアル家庭版「産褥期のケアの大まかな説明」(最終更新 2025年2月)
- MSDマニュアル家庭版「妊娠中および分娩後の性機能障害」(最終更新 2024年3月)
- MSDマニュアル家庭版「性器-骨盤痛・挿入障害」(最終更新 2023年7月)
- 島根県「性と健康相談支援センター(女性健康相談窓口)の紹介」
上のページを2026年10月31日に確認して書いています。医療の判断は、受診した医師の説明を優先してください。診療科の名前は出典に書かれていないため、「何科か」と「当サイトの目安」と書いた部分は当サイトがまとめたものです。
